年金がもらえない人とその理由!【収入あり・高年収・未納】

年金という制度は、国民全員を対象にした制度です。
毎月きちんと保険料を納めていれば、誰にでも受給開始年齢(国民年金なら65歳)になれば老齢基礎年金を受給出来るようになります。
しかし、どうせ年金を払っても将来もらえないから…という理由で年金を未納する人が増えているそうです。収入があったり、年収が多くても未納にしちゃってる人も多いんだとか。
本当にもらえないんでしょうか?
厚生年金は、年収によって将来もらえる金額が変わるはずですが、せっかくの収入があるのに、未納はもしかしたらもったいないんじゃないかな…。
少し調べてみましょう。

 

年金制度について

公的年金とはその名前から分かる通り、国が管理&運営している年金制度のことです。公的年金には国民年金厚生年金の二つがあります。

公的年金は2種類

国民年金とは、

日本国内に住む20歳以上60歳未満のすべての人が加入するものです。平成27年度はひと月に16,900円する義務があります。

厚生年金とは、

民間企業の会社員や公務員など、どこかに勤務している人が加入するものです。総支給額の18.3%の半分が給料から天引きされ、半分は会社が支払っています。
国民年金は全員が加入するものなので、厚生年金の加入者は、国民年金と厚生年金の両方に加入しているということになります。

 

運営方式は、若い時に自分が積み立てた分を将来自分で受け取る「積み立て式」ではなく、現役世代がおさめた保険料を現在の受給者への支払いにあてる「賦課(ふか)式」が採用されています。
この賦課式は、少子高齢化の今は現役世代の負担増が懸念されていますが、インフレや給与水準の変化に対応しやすいというメリットがあります。

 

公的年金というと、高齢者が受け取るお金…というイメージがありますが、それだけではありません。

公的年金で受け取れるお金

老齢年金:歳をとって仕事をリタイアした後に支払われる年金
受給開始から死ぬまで給付が受けられます。

障害年金:病気や事故などで障害を負い、働くことや日常生活を送る上で困難がある人に支払われる年金。
保険料の支払い状況などの条件はありますが、払った保険料に関係なく、障害の度合いによって年金が支給されます。2級の場合、国民年金のみなら年間約78万円がもらえます。

遺族年金:一家の働き手や年金を受け取っている人が亡くなった時に、その遺族に対して支払われる年金。
条件を満たせば、払った保険料に関係なく年金を受け取ることができます。国民年金のみなら年間約78万円がもらえます。

 

 

年金をもらえない理由とは…

国民年金は、25年以上納付していなければ1円ももらえませんが、納めていれば必ずもらえます。
納めない人が多くなると、財政が破綻して、もらえなくなるという噂もありますが、そんなことはありません。国民年金の半分は、実は税金からまかなわれているのです。

 

 

公的年金を納めることのメリット

国民年金は月々16,900円です。少ない収入の中から、この金額を納めなきゃ行けないのは正直つらいですよね。
収入が増えたら、貯金するし…と思っている人もいるんじゃないでしょうか。
でも、国民年金の財源の半分は税金なんです。つまり、もらえる年金の半分は税金なんです。しかも、生きている間ずっとです。
満額でもらえても、月に6万円程度ですが、100歳でももらい続けられる制度はなかなか無いんじゃないでしょうか。

さらに、障害年金は、20歳以降に事故などで体に障害が残ったら、一生涯年金が受け取れますし、遺族年金は、結婚後に亡くなってしまったら、残されたパートナーや子どもに一定期間年金が受け取れます。

これも、国民年金の保険料を払っていないと1円も貰えないんです。
自分の身に災いが降り掛かって来た時に、守ってもらえるのが年金なんですね。

 

年金を未納する理由は?

厚生労働省の調べによると、平成28年度の国民年金の納付率は66%だそうです。
年金の保険料は、2年以内の未納分なら追納(後払い)することが出来るので、まだ増えることも考えられますが、3割近くの人が払っていないそうです。

厚生年金の人ならば、給料から天引きされるので、支払っていないという状況にはなりにくいですが、国民年金は支払っていないと、督促状が届き、滞納し続けると延滞料金(年利14.6%)が課せられ、滞納者だけでなく世帯主や配偶者の財産を差し押さられることもあります。

そんな恐れもありながら、年金を支払わない人にはどんな理由があるのでしょう。

出典:厚生労働省ホームページ 保険料の納付方法、未納の理由等についてより引用

「保険料が高く、経済的に支払うのが困難。」という理由が一番多いですね。次に多いのが、「国民年金をあてにしていない。」ですね。払える収入があるのに、払っていないのは、もったいない気がします。

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年金が未納の人の年収って?

将来年金がもらえないとわかっていて納められない…というくらい逼迫した人の年収はどのくらいなんでしょうか?

収入が少ない人の場合

年金が払いたくても収入が少なくて払えないという場合は、申請すると免除だったり、納付を猶予したりしてくれるそうです。

免除率は所得に応じて以下の通りになっています。

  • 4分の1免除…年間195〜247万円の所得
  • 2分の1免除…年間142〜195万円の所得
  • 4分の3免除…年間92〜142万円の所得
  • 全額免除…年間92万円未満

 

年収が247万円以下の家庭にはなんらかの救済措置があることがわかりますね。

「生活が苦しくて年金が払えない」という場合は、年金事務所などで相談することをおすすめします。
国民年金は通算25年以上払わないといけないんですが、その期間を追加出来るんです。
猶予された分は未納ではなく、後から追納することで年金額を増やせます。
今払わなくても放っておかずにこれらの制度を利用することがおすすめです。

年収が多い人の場合

年収が多いのに年金を未納しちゃった場合どうなるでしょう。

厚生年金の場合、給料から強制的に天引きされるので、未納ということはありませんが、自営業者やフリーターなどは自発的に支払わないと未納となります。

日本年金機構は、2014年度から40歳以上で年収400万円以上の人で13ヶ月以上滞納している人全員に対して、督促状を送付したそうです。そして、督促状が到着した後でも納付を行わず、支払いの意思を表明することをしない人には、先述しましたように、銀行口座や有価証券、車などを強制的に差し押さえてしまうそうです。いきなり、銀行残高「0円」になることもあるそうです。

ですから、ある程度年収がある人でも、年金制度からはなかなか逃げることは出来ないようになっています。

年金をもらえない→もらえる、に。

国民年金をあてにしないという意見がありましたね。
老後のためにたくさん稼いでたくさん貯める、とか、老後など無い一生現役という人もいるでしょう。

でも、事故にあって大けがをしてしまったらどうでしょう。
消費税が今後大幅にアップすることも考えられます。
物価が今よりも上がることもあるでしょう。

実は、2017年から国民年金の必要納付期限が25年→10年に短縮されることになりました。
10年納めると年金がもらえるようになるのです。
ひとまず10年納付してみてはいかがでしょうか?

まとめ

年金をあきらめていた方にも今後受給権が発生する可能性があります。
貯金や投資を頑張ることはもちろん、将来の備えという点で年金も視野に入れてもいいんじゃないでしょうか。
金額や制度の維持については不安がありますが、ケガをしたり、仕事ができないような不幸に出会ったりすることもありますから、そういう時のためにも未納すること無く納めて行きたいと思います。

 

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