2016年の参議院選挙を覚えていますか?
2016年の公職選挙法などの改正により、満18歳以上の人が選挙に参加出来るようなって、
初めての国政選挙です。
新たに選挙権を得た10代は約240万人で、有権者の2パーセントです。
年齢別の投票率を見ても特に20代の低さが際立っています。
10代の選挙権をきっかけに若い世代に政治への関心を高まるようになることが出来たでしょうか。
若い世代はとかく無関心と言われているけれど、中には政治に関心のある人もいるでしょう。
地域的にはどうでしょう。
知事選や市議会議員選挙では見えない国政選挙である参議院選挙だからこそ、県別でさらに
年代別で推移をみることが次の選挙の参考になるんじゃないでしょうか?
どの地域で、どの年代が政治に関心があるのか。見て行きたいと思います。
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参議院の選挙について
参議院の選挙について調べてみましょう。
参議院の議員さん達の任期は6年です。(ちなみに衆議院議員は4年)
6年で総入れ替えになるわけじゃなくて、半分ずつ3年ごとに選挙を行うことになっています。
参議院議員の議員定数は242人なので、3年ごとに121人が変わる訳ですね。
2016年の選挙では、73の選挙区と48の比例代表で選ばれます。
選挙区制とは、1都道府県に1つ選挙区が置かれています。
例えば東京都だと、東京都が一つの選挙区です。
その選挙区ごとに当選出来る人数が人口によってそれぞれ決まっています。
東京都は定数10人なので、半分で5人です。(2016年の選挙では6人になりました)
投票が多い順に当選します。
比例代表制とは、選挙区のような区割りがありません。
各政党は比例代表の候補者名簿を事前に提出します。
衆議院では、選挙区と比例代表の候補者を重複して記載出来ますが、参議院ではできません。
投票には立候補者の名前か政党の名前を書きます。
票を多く獲得した候補者順で、各政党の候補者ランキングが決まります。
そして、候補者が獲得した票数+政党が獲得した票数によって、どの政党に何パーセントの
議席が割り振られるかが決定します。
割り振られた議席の数に応じて、先ほどのランキング順に当選者が決まって行きます。
衆議院選挙の比例代表では、候補者の名簿のランキングは政党によって作られていて
政党に投票するしか出来ません。
参議院選挙では、候補者に直接投票が出来るので、ランキングの作成も有権者が参加できるのです。
でも、タレントや元スポーツ選手など知名度を持った候補者が票を集めやすいので、
どの政党も知名度の高い候補者をたてる傾向にあります。
衆議院の議員さん達より参議院の議員さん達にタレント議員が多いのにはこういう訳があったんですね。
特に今回初めて選挙権をもった10~20代の若い世代に対しても、政治的な難しい話しよりも
知っている人というだけでも効果があったでしょうね。
2016年参議院選挙の年代別投票率の推移
全国から標準的な投票率を示している投票区を抽出して調査したものによると、
全体の投票率を見ると、2013年の参議院選挙では52.61パーセント。
2016年の参議院選挙では54.70パーゼントで、2.09パーゼント上昇しています。
しかし、この数値は1974年以降で4番目に低い投票率なんだそうです。
出典:https://www.soumu.go.jp/senkyo/senkyo_s/news/sonota/nendaibetu/
年代別ではどうでしょう。
20代 33.37→35.60パーゼント(2.23上昇)
30代 43.78→44.24パーゼント(0.46上昇)
40代 51.66→52.64パーゼント(0.98上昇)
50代 61.77→63.25パーゼント(1.48上昇)
60代 67.56→70.07パーゼント(2.51上昇)
70代以上 58.54→60.98パーゼント(2.44上昇)
軒並み上昇していますね。
10代の投票率は46.78パーセントとなっていて、特に18歳の投票裏は51.28パーセントで、
20代30代よりも関心があったことが伺えます。
グラフの推移を見てみると、1998年の参議院選挙からゆるやかに下降していた投票率が
2016年の選挙でほとんどの年代で上向きに変わっているのは評価されてもいいのではないでしょうか。
やはり20代の投票率の低さが目立ちますね。
50~70歳以上の世代で60パーセントを維持しているとはいえ、若い世代も選挙に言ってほしいですね。
2016年参議院選挙の県別投票率の推移
次に県別の投票率を見てみましょう。
投票率の高い県は
①長野県 62.86パーセント
②山形県 62.22パーセント
③島根県 62.20パーセント
逆に投票率の低い県は
①高知県 45.52パーセント
②徳島県 46.98パーセント
③広島県 49.58パーセント
高知県、徳島県、鳥取県(56.28パーセント)では、それぞれ県の最低投票率を更新したそうです。
なぜ、高知県や徳島県で投票率が低かったかというと、
2016年の参議院選挙から定数や区割りが変わった県があります。
東京都では定数5→6人に増加しました。
他にも北海道2→3人、愛知県3→4人、兵庫県2→3人、福岡県2→3人と増えているのに対し
新潟県2→1人、宮城県2→1人、長野県2→1人、鳥取県&島根県2→1人、高知県&徳島県2→1人
と減ってしまうのです。特に鳥取県、島根県、徳島県、高知県に関しては合区という形になって
しまいました。
人口によって定められてるとはいえ、もしかしたら全く知らない人かもしれないし、
選挙期間中に候補者が回りきれなくて有権者と会えずにいたのかもしれません。
たくさんの人から選べる…というのではないのなら、有権者のモチベーションも上がらなかったのかもしれませんね。
2016年参議院選挙 10代の県別投票率
全国の10代の投票率は46.78パーセントでした。
30~40代くらいの投票率と同じですね。頑張っていると思います。
では、どこの県の10代の投票率が高くて、低い県はどこか調べてみましょう。
最も投票率が高かったのは東京都の57.87パーセントでした。
ついで、神奈川県の57.70パーセント、愛知県の53.77パーセントが続きます。
最も投票率が低かったのは高知県で30.93パーセントでした。
ついで宮崎県の33.61パーセント、愛媛県の35.78パーセントでした。
まとめ
実は、2016年の参議院選挙は争点がぼやけた選挙でした。
与党の自由民主党や公明党は「アベノミクスの成功か失敗か」という姿勢。
野党の民主党や共産党は「憲法の改正に必要な2/3の議席を与党に渡さない」という姿勢。
確かにどちらに投票していいか分からなかった記憶があります。
だからこそ、投票率もそれほど上がらなかったのではないでしょうか。
次回の参議院選挙は2019年です。
せっかくの国政選挙です。
一票を無駄にしないようにしたいと思います。
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